新規法人を設立し銀行から借入をするまでの煩雑な道のりを整理し、熱い想いを持った方の起業がスムーズに進められるよう、前回に引き続きまとめていきます。前回は株式会社を法的に認めてもらう登記の手順と、その結果として履歴事項全部証明書を得るための流れを解説しました。今回は銀行口座を開設するための手続きと、株式会社設立後に必要な届出をまとめました。
前回:
http://tsutsui0526.blog.jp/archives/1003524449.html 

 

1.税務署への開業届

株式会社を設立した地域を管理する税務署に開業届を提出します。この届出は提出を証明する「控え」を銀行に提出する必要があります。ここで注意すべきは、「控え」はコピーではなく、「控え」用の書類を作成する必要があることです。そのため、まずは税務署に行き、「新設法人の届出セット」を2部貰いましょう。
「法人の設立届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」は必ず必要な書類です。「青色申告の承認申請書」「源泉所得税の納期の特例承認に関する申請書」は、任意の書類ですが、必ず記入しておいたほうが良い書類です。消費税関係は有利・不利に個別性が強いため、税理士さんに相談されるとよいでしょう。上記の書類を記入し、履歴事項全部証明書の原本と定款のコピーを添えて提出すると、原本と「控え」にそれぞれ受付印を押してもらえます。「法人の設立届出書」の「控え」を銀行に持っていきましょう。

 

2.年金事務所への適用届

社会保険に加入するために、新規事業所を届け出る「新規適用届」や、社会保険に加入する人の「被保険者資格取得届」を提出します。就業ルールを決めたり、扶養者がいる場合の届出など保険者ごとに提出書類に要・不要があるなど、考慮すべきポイントが多々あるため、社会保険労務士さんに相談するとよいでしょう。ここでも、履歴事項全部証明書の原本が必要です(おそらくコピーして返してくれます)。社会保険料の口座引き落としを銀行に申請するための「保険料口座振替納付申請書」が貰えます。こちらを口座開設の際に持っていくと、同時に処理をしてもらえるので手間が少なくてすみます。

 

3.いよいよ銀行へ!

各銀行によって必要な書類は異なると思いますが、概ね下記のものを準備するとよいでしょう。

・株式会社の代表印とその印鑑証明書です。印鑑証明書は登記をする際に印鑑登録をして発行されます。

・銀行口座での入手金の際に用いる「届出印(銀行印)」と「ゴム印」。「ゴム印」とは法人の住所、代表取締役という肩書、氏名が記載されたものを準備するとよいでしょう。

・税務署宛に提出した「法人設立届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」の控え

・定款のコピー

・代表者の公的な本人証明書(免許証等)

・最初に入金するお金

 

銀行と面識がない場合は更に

・代表者の履歴書

・代表者の財産を証明できるもの(通帳のコピー等)

・株主等の名簿、設立趣意書、設立時の貸借対照表

・株式会社の事業内容(計画)が分かるもの

・銀行利用者の紹介状(もしくは紹介してもらいアポを取って訪問する)

などがあると、スムーズに開設してもらえる確実性が増すと思います。

 

キャッシュカードやネットバンキングを利用したい場合は、一緒に手続きを済ませるとよいでしょう(利用開始までに少し時間が必要な場合があるので注意が必要です)。「保険料口座振替納付申請書」も合わせて提出し、社会保険料の引き落とし処理を終えてしまいましょう。

 

上記が認められると、株式会社名義の銀行口座を作って貰えます!なんとも煩雑な手続きですが、色々と悪いことをする人が多いため、ハードルが高くなってしまっています。

 

銀行口座開設とは関係ありませんが、株式会社設立後他にも

・市町村への届出(届出書類、履歴事項全部証明書のコピー、定款のコピー)

・都道府県税事務所への届出(届出書類、履歴事項全部証明書のコピー、定款のコピー)

は必ず行わなければなりません。

 

そして社員を雇用した場合には

・労働基準監督署(保険関係成立届、労働保険概算保険料申告書、履歴事項全部証明書のコピー)

・ハローワーク(適用事業所設置届、被保険者資格取得届、履歴事項全部証明書のコピー、保険関係成立届のコピー、労働者名簿、雇用実績を示すもの)

にて労災保険と雇用保険の加入手続きが必要となります。また、労災保険と雇用保険は1年分を概算で前払いをする必要があります。

 

ここまで終われば、一般的な株式会社の設立手続きは完了です。免許や許認可が必要な業種の場合は、更にそちらの申請が続きます。本当に起業の手続きは大変ですね・・・。文章もおもいのほか長くなってしまいました。
 

私自身もそうでしたが、起業する際には、顧客や売上確保に集中したいものです。このブログを参考にして頂き、少しでも効率的かつ自信を持って進めて頂ければ嬉しいです。次回はいよいよ銀行に借入をお願いする際の手続きをお伝えします!




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